ウルフーオオツカ法(1)

昨年から完全内視鏡下心房細動手術(ウルフーオオツカ法)を開始して、1年が経過しました。昨年は4例行うことができました。まだまだ認知度の低い手術ですが、心房細動患者様にとって良い手術方法となっていくと感じております。

今年は1月に2例のウルフーオオツカ法手術を行い、現在6例の手術を終えました。

6例を振り返って、

3例は、ウルフーオオツカ法(Ⅱ法)
  これは、胸腔鏡下左心耳切除術のみの症例でした。
 
  1例は左心耳内血栓による脳梗塞、上肢の血栓動脈閉塞
  1例は抗凝固薬服用による副作用の消化管出血の既往
  1例は脳梗塞後、カテーテルアブレーション予定の左心耳血栓疑い

     3例とも左心耳切除遺残なく、手術合併症もなく
       手術成功!!

3例のウルフーオオツカ法(Ⅰ法)
  これは、胸腔鏡下肺静脈隔離術+左心耳切除術の症例でした。

  1例はカテーテルアブレーション後の再発の方
  2例は発作性心房細動で未治療の方
  3例は慢性心房細動でカテーテルアブレーション困難例の方
 
     3例とも、ウルフーオオツカ法の宣伝を知ってこられた方でした。
     テレビや雑誌、宣伝広告って効果があるんだと思いました。 
      

ウルフーオオツカ手術は、胸腔鏡下で行う手術であり、心臓血管外科医としては難しい手術です。実際に目で見て行う手術とは違い、テレビを見ながら行うもので、
初めは、器具がどこにあり、どのように動くのかも分からず苦労しました。

しかし、練習を行うことでスムーズに手技を行えるようになったと思います。
大塚先生からも「OK」頂きました。

ウルフーオオツカ法で気が付いたこととして

1,左心耳切除は根部で間違えなく切除。
  ⇒血栓予防が確実になる。

2,肺静脈隔離は、外科的アブレーション器具で数十秒で行えるが、
  電気的隔離には十分時間をかけ繰り返し行う必要があること。
  ⇒心房細動の再発予防効果を上げる。

3,術後に血栓予防のため、抗凝固剤使用が必要。
   術後右心耳に血栓例を経験して

4,アミオダロン(抗不整脈薬)、ベータブロッカー(脈を抑える薬)
   が必須なこと。

今後は、上記4点を踏まえ、
ウルフーオオツカ法が、さらなる治療効果を得るために努めていきます。