ウルフーオオツカ法は、胸腔鏡という肺がん手術などで使用する内視鏡を使用して、不整脈(心房細動)のアブレーション(電気的に焼く)と脳梗塞の原因とされる左心耳(左房にある袋)にできる血栓を予防する左心耳切除を行う手術です。
手術の重要なポイントって何?
左心耳を切除(切り取ってしまうこと)することで
脳梗塞の発症を予防できる。
脳梗塞の20%~30%は心房細動が原因とされており、その90%が左心耳からの血栓と言われている。これは、心房細動になると左心耳の収縮がなくなり、だだの袋と化してしまい、血液の淀み、乱流により、血栓形成を促進してしまう状態となる。
アブレーション(電気の流れを遮断してしまう)により、心房細動を洞調律(正常な状態)へ整えることが可能である。
発作性心房細動の患者様は、内科的にカテーテルアブレーションを行われることが多く、持続性心房細動になった患者さまでも発病期間が5年以内であれば、カテーテルアブレーションを行われ、治療成績は約80%と成績は良好である。
内科的アブレーションとの違いは、左心耳(脳梗塞の元)を処置できないことで、内科的左心耳閉鎖術(器具を使用して入り口を塞ぐ)は左心耳切除術に比べ、完璧に塞ぐことが難しいとされている。
左心耳切除後は抗凝固薬(血液サラサラ)が不要。
脳梗塞予防のクスリは、左心耳を切除することで、血栓ができる元をなくしてしまうことで、不要と考えられる。
しかし、がんが体のどこかにできると、血栓症をきたしやすくなり、左房(ものすごく大きな)に血栓を作った方がいる。この場合は、抗凝固薬は再開となる。
脳梗塞は生活が一変したり、患者さん、その家族の負担は大きくなる。
心房細動で再度脳梗塞、脳出血を起こすことを防ぐことができる。
では、先生が心房細動になったら、この手術を受けますか?
手術を受けます。
なぜかって、
薬を飲みたくないですし、脳梗塞になって家族に迷惑をかけたくない。
薬は医療費が高くなるからです。
下の部分は参考までに!!