重症冠動脈病変なら冠動脈バイパス術です。冠動脈バイパス術は、カテーテルや薬剤療法にない心筋梗塞予防や命を守る効果を持ちます。
狭心症、心筋梗塞症は、突然胸部の痛みや締め付けられる絞扼感を自覚したときに考える疾患です。
狭心症は、胸部症状が運動やストレス時に出現し、安静で改善します。心筋梗塞症は、胸部症状を自覚すると、30分以上持続し、冷や汗をかいたりします。
どちらも、自覚した際は病院を受診することが必要です。我慢せず受診することが重要です。病院に受診すると12誘導心電図にて虚血の有無を診断します。
心電図検査で異常(ST部分の変化)が認められると心臓カテーテル検査を行い、虚血の原因の冠動脈を特定し、加療が行われます。
冠動脈は大きく3本の血管より心臓を栄養しております。1本の病変であれば、ないあk的にカテーテル治療が行われます。3本いずれの血管も狭窄、閉塞があるような、重症病変であれば、冠動脈バイパス術が選択されます。
冠動脈バイパス術は、以前は人工心肺装置(心臓を止めて)を使用して心停止下(CABG)に行われおりましたが、現在はOPCABと言われる心臓を動いたまま、特殊な器具(心臓を固定する)を使用し行われるようになっております。当科では基本OPCABで手術を行いますが、術中に血行動態の不安定となる場合は、人工心肺装置を使用し心拍動下に行っております。
冠動脈バイパス術の方針
- 心拍動下(off-pump CABG: OPCAB)
- 左前下行枝へは、左内胸動脈を使用
- 右冠動脈高度狭窄へは、右胃大網動脈を使用
- 左回旋枝へは、大伏在静脈を使用
- 60歳代以下の方は、できるだけ動脈グラフトを使用
以上の方針で患者様に合った手術方法を選択いたします。
冠動脈バイパス術では、9割の方はOPCABで手術可能でした。グラフト閉塞に対しては、術中に血流計、ICG造影にて開存をチェックしております。